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■アルツハイマー病とは

 

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■アルツハイマー病とは

専門医が軽度認知障害(MCI / mild cognitive impairment)と診断する健忘の激しい人達がいます。 このMCIと診断された人達の追跡調査によると、その人達は年率15%ぐらいアルツハイマー病に進行した、と報告されています《参考文献13》。
しかし、MCIと診断されても症状が進行しない人もいて、MCIの半分はアルツハイマー病に進行し、残りの半分は進行しないようです。 
MCIは65歳以上の高齢者の20〜25%ぐらいに見られるとのことですから、高齢者のアルツハイマー病罹患リスクは10%強ということになります。 健忘であっても、毎年悪くなっていくと自覚されている方は、要注意です。 

国内で約百五十万人いるとされるアルツハイマー病

 

「健忘からアルツハイマー病にならないのか?」という質問に、あやふやな結論とならざるを得ないのは、このように現状ではMCIの人達すべてがアルツハイマー病になるとは限らないことと、もう1つは前に述べたように、ベータアミロイドがアルツハイマー病の原因物質だとしても、ベータアミロイドが多いからといってアルツハイマー病になるとは限らないという理由からで、その根本は、ベータアミロイドが原因でアルツハイマー病を進行させる他の要因がまだ分かっていないからです。

フェルラ酸が欠乏するとアルツハイマー病になるのか? 

一部の高齢者の脳の中には記憶や学習力を低下させるレベル濃度のベータアミロイドが存在し、ベータアミロイドの記憶や学習力低下を抑制するフェルラ酸が高齢者の食生活で欠乏しがちであることは、前に述べました。 

また、ベータアミロイドは脳細胞のアストロサイトに炎症を引き起こし、フェルラ酸はベータアミロイドによる細胞炎症を軽減することも述べました。

このように考えると、フェルラ酸が欠乏すると脳の中で由々しき事態が起こると考えられますが、フェルラ酸が欠乏するとアルツハイマー病に罹りやすくなることを実際に証明するのは、膨大な疫学調査が必要です。 フェルラ酸は19世紀に発見され、古くから知られた物質ですが、ベータアミロイドによる記憶や学習力の低下を抑制する効果があることが分かったのは、ほんの数年前です。 そのためか、食品中に、ほんの微量含まれているフェルラ酸を分析した例はわずかで、ほとんどの食品はフェルラ酸が入っているかどうかが分からず毎日食べています。

歴史を尋ねると、微量成分の欠乏が重大な病気の原因となり、多くの人命を奪った例としてビタミンCの壊血病やビタミンB1の脚気が有名です。

医学が発達し、生体生理が解明された現代では欠乏症はありえないと考える人もいるかもしれませんが、生体生理は充分に解明されているわけではありません。 まして、脳内の神経がどのような働きをしているかについては、未開な部分のほうが圧倒的に多いと考えられます。

ピコは、1/10の分母の0が12個並んだ微量な単位ですが、ニューロンはフェルトというピコの1/1000の単位でも作動します。 毎日食べる食事の中に入っている微量成分が、このような微妙な脳機能にどのように影響しているかについてはほとんど分かっていません。

日本人は、江戸時代になってもほとんどの人達が米を精白しないで玄米を、明治になってからも一般には押し麦といわれる大麦入りのご飯を食べていました。

また小麦についても、製粉技術が今日ほど発達していなかった第二次世界大戦までは、うどんなどの麺類には小麦全体を粉にした小麦粉、いわゆる地粉(じごな)を使っていました。

現代になって、ほとんどの人が60歳以上まで生きるようになり、しかも精白米や精白小麦粉を食べています。 そうした現代人がフェルラ酸不足になっていると考えられるわけですが、前に述べたようにフェルラ酸が脳内にないとベータアミロイドが引き起こす神経に対する影響を抑制できません。

一方ではアルツハイマー病が本当に増えているのか、を示せるような精密な調査もまだ行われていません。  しかし、さまざまな地域で行われてきた調査や、前にも述べたMCI(軽度認知障害)の人達の追跡調査から、アルツハイマー病の発病率がアップしている危惧はぬぐいきれません。

%は65歳以上の老人人口に対する
認知症老人の出現率

 

フェルラ酸欠乏が、アルツハイマー病に関係するのかどうかを証明することは、現状では不可能ですが、分かっていないからといって、分かるまで待つわけにはいきません。 人は間違いなく相応量のフェルラ酸を主食で取っていたわけですから、40歳を過ぎたら玄米や、小麦をそのまま粉にした地粉(じごな)を食べるか、現状の食事のままでも補助食品でフェルラ酸を補給されることを強くお勧めします。

 

《参考文献》

13. 新井 啓行「軽度認知機能障害と痴呆症の早期診断」 日医雑誌 (2004) 第133巻・第2号

   
 
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